LOVE

【39*K】
39*K

K/BUMP OF CHICKEN
謝恩会で聞いて
めちゃいい曲だなーって
思った。

下の動画まじで泣けるから!!

=週末の大通りを黒猫が歩く
 ご自慢の鍵尻尾を水平に
 威風堂々と

 その姿から猫は忌み嫌われていた
 闇にとけるその体めがけて
 石をなげられた


 孤独には慣れていた
 寧ろ望んでいた
 誰かを思いやる事なんて
 煩わしくて
 
 そんな猫を抱き上げる
 若い絵描きの腕

 「こんばんわ素敵なおチビさん
 僕らよく似てる」

 腕の中もがいて
 必死で引っ掻いて
 孤独という名の逃げ道を

 走った走った
 生まれて初めての
 優しさが温もりがまだ信じられなくて

 どれだけ逃げたって
 変わり者はついてきた

 それから猫は絵描きと
 2度目の冬を過ごす

 絵描きは友達に名前をやった
 黒き幸 ホーリーナイト
 
 彼のスケッチブックは
 ほとんど黒づくめ

 黒猫も初めての友達に
 くっついて甘えた

 がある日
 貧しい生活に倒れる名付け親
 最後の手紙を書くと彼はこう言った

 走って走ってこいつを届けてくれ
 夢を見て飛び出した
 僕の帰りを待つ恋人へ

 不吉な黒猫の絵など売れないが
 それでもあんたは俺だけ書いた
 それゆえあんたは冷たくなった
 手紙は確かに受け取った

 雪の降る山道を黒猫が走る
 今は故き親友との約束をその口に咥えて

 「見ろよ悪魔の使者だ」
 石を投げる子供
 なんとでも呼ぶがいいさ俺には
 消えない名前があるから


 ゛ホーリーナイト゛

 聖なる夜と呼んでくれた
 優しさも温もりも全てつめこんで呼んでくれた

 忌み嫌われた俺にも
 意味があるとするならば
 この日の為に生まれてきたんだろう
 どこまでも走るよ

 彼は辿り着いた親友の故郷に
 恋人の家まであと数キロだ

 走った転んだ既に満身創痍だ
 立ち上がる間もなく
 襲いくる罵声と暴力
 
 負けるか俺はホーリーナイト
 千切れそうな手足を
 引きずりなお走った
 見つけたこの家だ!!!

 手紙を読んだ恋人はもう
 動かない猫の名に
 アルファベット一つ加えて庭に埋めてやった
 聖なる騎士を埋めてやった=







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